こんにちは、作業療法士の小山です。
めっきり寒くなりまして、私はダウンに袖を通し始めました。
病気によって、いままでおしゃべりが出来ていた方が、
言葉を出せなくなってしまうことがあります。
これは失語症と呼ばれ、人によって様々な症状が現れます。
スタジオぷらすに来所されている主婦の鈴木さん(仮名)も失語症です。
周りの方の話していることは大体分かりますが、
自分の言いたいことを言えません。言葉が出てこないのです。
それでももちろん、話したいと言う希望があります。
言葉の音を、鈴木さんの中から出すために、
今回は、ア行1つ1つの言葉のイメージを記してみました。
3つのひらがなでも、一つ一つの区別がつかなかった鈴木さんですが、
ア行の5つだけなら区別がつくようになりました。
これが一番良い方法なのかどうかはまだ分かりませんので、
これからも試行錯誤を続けていきます。
カ行も試した昨日、鈴木さんは練習後に、何か訴えたいことがある様子でした。
それが練習方法についてのことだったのか、
話せる方法についてのことだったのか、
私はよく理解することができず練習を終えてしまいました。
鈴木さんは、話せる言葉の1つの「ちがう」を何度も繰り返しながら、
伝えようと必死でした。
鈴木さんが一生懸命何かを訴えようとしているのにもかかわず、
それを理解することができない自分の想像力の狭さにがっかりしました。
だからこそ一緒に練習を続け、
いつか鈴木さんと何気ないお喋りをすることが、私の希望です。