りぷらすのブログ

介護領域の社会的課題の解決を目指す

地域の人を通して考える“自分自身のあり方”とは ー作業療法士・高橋真由美さんに聞く

本日は、昨年夏からりぷらすで働かれている作業療法士の高橋真由美さんにお話を伺いました。

長きに渡って地域リハビリテーションに従事する高橋さんのこれまでの歩みや想い、また、りぷらすで働く中での新たな発見や変化に関するお話から“地域で働く作業療法士”の魅力に迫ります。

(インタビュアー:河村由実子)

 

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心も身体もみれる専門職に憧れて

——高橋さんが作業療法士を目指されたきっかけを教えてください。

高校2年生の進路希望調査の時に、普通の大学に目的なくいくというイメージがわかなかった私は、色々な専門学校を調べました。その時にリハビリという仕事や養成校があることを知り、学校の説明会に行ってみました。

理学療法と作業療法の違いについてはその時に詳しく知りました。どっちがいいかなと考えた時に、精神科にも興味があった私は身体も心も診れるという作業療法に興味を持ちました。説明会では自助具を作る体験などもさせてもらえて、作業療法士ってなんだか面白そうだなと惹かれました。

 

—— 作業療法士になられてからは、どういった道を歩まれてきたのですか?

養成校を無事に卒業し作業療法士免許を取得した私は、はじめは介護老人保健施設に就職しました。その後、障害者のデイサービスや別の地域の介護老人保健施設、訪問看護ステーション、サービス付き高齢者住宅とそこに併設されたデイサービスなど様々な現場で経験を積んできました。

出産を機に、交通の便という理由から転職を考えていた際に、りぷらすに出会いました。子育てに力を入れたい一方で、仕事も好きな私は両立したいという思いが強くありました。また、もともと施設ではなく在宅の人を見たい気持ちも強かったので、そういった点で、りぷらすでは質の高い仕事ができるのではないかと思いました。

 

“介護からの卒業” ということ

——実際にりぷらすで働き始めて、印象に残っている出来事はありますか?

デイサービスに通いはじめた方の歩行速度や足の筋力がどんどんとアップしていくことにとても驚きました。それは、毎月体力測定をやっているのが一つの要因だと思います。身体の変化に気づけるということは素晴らしいことです。

また、午前午後に分かれているリハビリ特化型のデイサービス、さらには毎月体力測定を行なっている施設は本当に少ないと思うので、非常に魅力に感じます。

デイサービスという場所が、利用者本人にとっての居場所として確立すると、デイサービスからの卒業はなかなか難しいと思います。しかし、そこであえて「介護からの卒業」を目指し、施設の方針として取り組む姿勢は本当に素晴らしいです。

コロナ禍でなかなか積極的な卒業を提案することが難しい状況ですが、利用者さんにとって何が本当に良いことなのかをしっかりと考え、関わり続けることのできる作業療法士でありたいです。

 

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2021年7月に卒業された利用者さん

——1年間働かれた中で自身の中で変化したこと、また、高橋さんが作業療法士として大切にされているモットーを教えてください。

結局は、どういう風に関わりたいかという “自分自身のあり方” や “態度” 次第だということに気がつきました。私は、作業療法士として、身体機能が上がった結果「何ができるようになった」のかという視点を大切にしています。

デイサービスに通うことで生活の中のこれができるようになった、というのを利用者さん自身に感じ取ってもらいたいのです。そのためには、丁寧に話をすることが必要です。日頃から目標やニーズを聴取するのはもちろん、3ヶ月に1回は計画書を作成するのでそこで改めて整理をします。

利用者さんに出会ったからには、少しでも長く元気でいて欲しいなと思いますし、今のご自身の生活の中に少しでも“ありたい暮らし” を実現してほしいです。

その中で、私たちが関わることで少しでも支えになれることがあるのであれば、それは嬉しいことだなと思います。そんな支援ができるよう心がけています。

 

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——日々のやりがいは、どういったところにありますか?

変わりない元気なみなさんに会えること、これが全てです。その上で、新しく利用された方の改善していく姿を見たり、できることが増えたと報告を聞いたりすることにとてもやりがいを感じます。

例えば、以前、整形外科的疾患で不自由さがあった方が、「台所に立ってお浸しを作れるようになったよ」と報告してくれたことがありましたが、非常に嬉しかったです。

出来ることが生活の中に増えたということを実感した時に、とても嬉しく感じます。体が変われば心も変わる、そして社会参加にも繋がっていく。こうなることが理想だと思っています。

また、りぷらすのスタッフは良い意味でとても個性的です。みんながそれぞれの強みを持って活かしあっているような、そんな感覚です。職種によって考え方が違って、でも、利用者さんをよくしたいという気持ちはみんな一緒で。色々な視点から議論がなされるのはとても面白いですし、利用者さんのためにもなっていると思います。

 

育児と仕事の両立

—— 一児の母として仕事と家庭を両立されている高橋さんですが、りぷらすでの働き方はいかがですか?

これまで様々な職場で勤めてきた中で、家族のことで休みたいとなった時に、気を遣って休みにくそうにしていた方がいました。上司の人が嫌な顔をしたり、職場の雰囲気が悪くなったりすると休めないですよね。

心が安定していないまま仕事をしても、パフォーマンスが発揮できないと思います。しかし、りぶらすではそんなことは全くなく、みんなで支え合いながら仕事をしていいます。

これは本当に素晴らしいことだと思います。家庭も大事にしながら、仕事はプロフェッショナルとしてきちんと向き合う。そんなりぷらすの文化が私はとても好きです。

また、日頃の連絡にはTalk noteというシステムを使用しているのですが、みんなで情報を共有しやすくていいなと思っています。仕事じゃない日もついつい見ちゃうことはありますが、利便性にはかないません。

特に便利だなと感じるのは、朝体調が悪くてお休みしたい時などの連絡です。テキストツールで連絡でき、周りにも同時に情報が共有されます。早い段階からみんなで情報を把握できるので、トラブル対応もしやすくなります。

子育て支援やI C Tツールの活用などにより、かなり働きやすい環境で仕事をすることができています。自分自身のあり方を見つめながら、これからも育児と仕事に前向きに取り組んでいきたいと思います。

 

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以上、本日は2020年夏からりぷらすで働かれている作業療法士の高橋真由美さんにお話を伺いました。高橋さんの今後のさらなるご活躍を心より楽しみにしています。


【取材・文=河村由実子】